
交通安全啓発運動

۞バイクによる事故が多発しています [TOP]
交通白書は、歩行者、自転車、四輪車等を含めた交通事故による死傷者全体の内、18%あまりを二輪車のライダーが占め、二輪車に於ける事故の約4割が原付に関連するとしています。
日本国内を走行する二輪車全体の8割以上が原付とした日本自動車工業会の発表を鑑みれば、原付の事故率や死傷者数が自動二輪車よりも低い傾向にあるのは事実ですが、公道を走行する車両の総数に比して1%にさえ満たないバイクによる死傷者が、交通事故による死傷者全体の18%をも占める点は看過できません。
ここでは、バイクによる事故や死傷者が突出して多い原因を考察します。
- 車体が小さい
- 視界が狭い
- 性能の過信
- 能力の過信
- 備えの不足
「ハーレーなら国産バイクよりも巨大」、「自動二輪車は原付よりも大きい」、「原付であれスーパースポーツバイクやアメリカンバイクはスクーターよりも大きい」とした、バイクの大きさに関する話題を度々耳にします。
しかしながら、ビッグ・バイクであれ、原付であれ、その大きさは、四輪車から見れば団栗の背比べです。
四輪車のドライバーから視認し辛い事に違いは無く、二輪車のライダーにも、それを考慮しない者が多く存在します。
すり抜けられると考えた時こそ、ドライバーから見えていない可能性を考慮して運転すべきでしょう。
ヘルメットなら、首を自由に動かせる為、より広い範囲を見渡せるとした考えは大きな誤りです。
ライダーは視界が狭く、四輪車のドライバーよりも死角となる範囲が広い点を、ライダー自身も、四輪車のドライバーも理解すべきです。
バイクは四輪車より軽い為、四輪車よりも制動距離が短いと勘違いなさっているライダーやドライバーが散見されます。
実際、バイクの制動距離は四輪車よりも長く、十分な車間距離を確保せねば、追突する可能性が非常に高くなります。
車重に対するパワーが大きく、機動力があり、避けられる可能性が高いと考えるのは過信に他ならず、排気量の大きなバイクほど取り回し辛く、パワーを持て余し、事故に遭う危険性が高くなり、事故に遭った時も、重篤な事態に発展する可能性を秘めています。
原付を発見すると、ここぞとばかりにスピードを上げる自動二輪車のライダーが後を絶ちませんが、大きなバイクや、排気量の多いバイクに乗る者ほど、大人しく運転する必要があります。
四輪車のドライバーよりも、運転に卓越した神経や身体能力が必要な鉄の馬を普段から乗りこなし、五感が鍛えられている為、多少のトラブルであれば十分対処できるとした甘い自信は捨てましょう。
壮絶な訓練を積んだ、レーサーの反応速度さえも超える次元で発生するのが交通事故なのです。
十分に注意していても、避けられない事故は必ず存在します。
世の中に『絶対安全』は絶対ありません。
ヘルメットは当然ながら、プロテクター等が装備されたジャケット等を身に付けるのが理想です。
その一方、夏場が高温多湿になる日本では、プロテクターどころか厚着でさえ困難な場面があります。
気温の高い日、安全を理由に無理な厚着をすると、熱中症、熱射病、日射病等の高温障害が身体に生じ、感覚が鈍くなったり、最悪の場合、意識を失う危険さえ伴います。
体調不良は軽装よりも危険なのです。
この場合、運転を見合わせるのが最善の手段ですが、どうしても運転せねばならない機会であって、十分な装備を身に付けられない際は、車通りの少ない道路を選択し、普段より速度を落として走行する等、一層の注意を払いましょう。
バイクや自動車の運転に於て、最も大切なのは「思いやり」であると胸に刻んで下さい。
皆さんは『バイクが走っている』、『車が走っている』と仰いますが、それは違います。
人間が『走らせて』いるのです。
道路を走行する全ての乗り物は、ただのメカではありません。
その1台1台に、誰かが大切に想う人の魂が宿っています。
ライダーやドライバーにとって、最も格好悪いのは、事故に遭う事。
それを肝に命じ、今日も安全運転に努めましょう。
![]() |
「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は飲酒運転撲滅のスローガンです。 |
![]() CV.桐山智花 |
現在、酒酔い運転は重罪として取扱われています。
過失とは異なり、明らかな故意犯ですから、その罪は計り知れません。
飲酒運転を行った運転者は、死亡事故の被害者遺族にとって、殺人犯に等しいのです。
つまり、飲酒運転は単なる道路交通法違反ではなく、事故を起こさなくても、殺人未遂に類する行為であると知りましょう。
酒酔い運転、酒気帯び運転を行った者に対する罰則は以下の通りです。
酒酔い・酒気帯び運転者に課せられる罰則 | |
酒酔い運転 | 35点(免許取消、欠格3年以上) 加えて5年以下の懲役、或いは100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 呼気1Lに対しアルコール量が 0.25mg/L以上 |
25点(免許取消、欠格2年以上) 加えて3年以下の懲役、或いは50万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 呼気1Lに対しアルコール量が 0.15mg/L以上、0.25mg/L未満 |
13点(免許停止90日以上) 加えて3年以下の懲役、或いは50万円以下の罰金 |
※ | 欠格年数は、運転免許の取り消し後、再取得可能となるまでの期間です。 |
検問等でのアルコール検査を拒否した場合は、酔っているか否かに関らず3ヶ月以下の懲役、或いは50万円以下の罰金となり、その上で令状による逮捕、及び強制検査が執行されます。
その結果、呼気より、規定量(酒気帯び運転としての要件を満たす)以上のアルコール成分が検出された場合、更に重い刑罰を受ける可能性があります。
酒酔い運転、或いは酒気帯び運転で人身事故を起こした場合、危険運転致傷罪となり、傷害罪や殺人罪にも近い量刑となる可能性があり(最高で懲役23年の罰則)、加えて致傷では基礎点数45〜55点・欠格5〜7年(治療期間による)、致死では62点・欠格8年の行政処分が課せられます。
当然、無免許であったり、救護措置義務違反(轢き逃げ)を伴う場合は、より量刑が重くなります。
また、保険に関しては、酒酔い運転、或いは酒気帯び運転の上で起こした事故であった場合、対人、対物のみが支払われ、自身の損害や治療費等は一切支払われません(免責となる)。
即ち、酒酔い運転、或いは酒気帯び運転の上で起こした事故であった場合、民事上の慰謝料や治療費等は全て自分で支払わねばなりません。
仮に相手を死亡させてしまった場合は、被害者が今後の人生で得るはずであった遺失利益も加算されますので莫大な金額となります。
また、酒酔い運転を行った運転者のみならず、同乗者や、酒類を提供した者、更には車両を提供した者にも罰則が適用されます。
その罰則は以下の通りです。
同乗者、酒類・車両提供者に課せられる罰則 | ||
同乗者 | 免許取消 加えて3年以下の懲役 或いは50万円以下の罰金 |
|
運転手が酒酔い運転の場合 | 酒類提供者 | 免許取消 加えて3年以下の懲役 或いは50万円以下の罰金 |
車両提供者 | 免許取消 加えて5年以下の懲役 或いは100万円以下の罰金 |
|
同乗者 | 免許取消 加えて2年以下の懲役 或いは30万円以下の罰金 |
|
運転手が酒気帯び運転 呼気1Lに対しアルコール量が 0.25mg/L以上 |
酒類提供者 | 免許取消 加えて2年以下の懲役 或いは30万円以下の罰金 |
車両提供者 | 免許取消 加えて3年以下の懲役 或いは50万円以下の罰金 |
|
同乗者 | 免許停止90日間 加えて2年以下の懲役 或いは30万円以下の罰金 |
|
運転手が酒気帯び運転 呼気1Lに対しアルコール量が 0.15mg/L以上、0.25mg/L未満 |
酒類提供者 | 免許停止90日間 加えて2年以下の懲役 或いは30万円以下の罰金 |
車両提供者 | 免許停止90日間 加えて3年以下の懲役 或いは50万円以下の罰金 |
酒酔い運転か否かは、呂律が回っていない、真っ直ぐ歩けない等、取締担当者が運転者の状態を鑑み総合的に判断します。
酒類を飲んだか否かに関らず、体調が優れない時は、運転を控えましょう。
![]() |
交通安全スリーS運動とは、ストップ、スロー、スマートの3つのSを広く実践する運動です。
|
![]() |