「尿酸」とは…

◆高尿酸血症への原因物質「尿酸」

体内に「尿酸」と言われる物質が増え続け限界を突破すると、足の親指の付け根などに耐え難い激痛が走るなどのような症状は痛風と言う病気です。その前段階である尿酸の量が正常より高い状態を「高尿酸血症」と呼びます。

では、このような病気や症状の原因となる「尿酸」と言う物質は、そもそもどんなもので、増えるとなぜ問題になるのでしょうか。

尿酸とは、難しく言えば「肝臓で合成される窒素化合物の一種」であり、簡単に言えば「古い細胞が分解されてできる残りカス」「エネルギーの燃えかす」といったところです。

人間の体は60兆個の細胞からできており、それらは日々古くなって死に、新しいものに再生しています。尿酸はそうした生命活動の際に生まれる「廃棄物」なのです。

尿酸を説明するためにどうしても欠かせない物質があります。それは「プリン体」です。
古い細胞が死に、新しい細胞に生まれ変わるメカニズムを「代謝」と呼び、その細胞の一つ一つには、DnaやRna等と言う遺伝子の中核をなす「核酸」と呼ばれる物質がありますが、プリン体はこの核酸の半分を構成する重要な成分で、代謝によって古い細胞が死ぬと核酸が分解されて体内に放出されるのがプリン体です。

また、筋肉を始め脳や内臓など体の中すべてを動かすエネルギー源となる物質”Atp” (アデノシン三リン酸)にもプリン体が含まれています。
したがって、エネルギーが燃やされた後の燃えかすの中にもプリン体が含まれているということです。

プリン体はこのほかに私たちが日常的に摂取する食品の中にも含まれています。
これらの病態は肝臓に集められて処理され、最終的に尿酸になります。こうして尿酸は日々刻々と作られ尿や便とともに排泄されます。尿酸とは、人間が生命活動を行った後にできる老廃物だったわけです。
尿酸の働きは、まだ全てが解明されたわけではありませんが、本当に何の役にも立たない老廃物なのかは断定されていないのです。
ただ、体内の尿酸が増えすぎると結晶化しやすくなります。この結晶は針のように鋭く尖った形をしており、特に関節に集まりやすくこの結晶が大量に溜まると、関節の中にこぼれ落ちて炎症を引き起こします。
これが激しい痛みを伴う痛風の原因です。

⇒尿酸値が高くなると…

⇒高血圧の合併症を予防する”減塩”作戦!