「高尿酸血症」の2つのタイプと合併症について

◆高血圧と糖尿病、腎障害について

高尿酸血症は、その要因によって2つのタイプに分けられます。

1つは尿酸をうまく排泄することができない「尿酸排泄低下型」で、日本人の高尿酸血症患者の約6割を占めています。もう一つは、尿酸が体内で過剰に産生される「尿酸産生過剰型」は約1割、残りの3割は、2つのタイプが合わさった「混合型」で、これらを合わせると約9割の人に尿酸の排出低下が関わっていることになります。なぜこのようなことが起こるかどうかは体質が関係するようですが詳しくは実際のところわかっていません。
しかし腎臓から尿酸を排出する能力がいくらか低い人が、高尿酸血症になりやすいと考えられています。

また高血圧や糖尿病などの生活習慣病や腎炎などによって腎臓の機能が低下し、尿酸の排泄が弱まる事でも尿酸値が上昇する可能性があります。一方、アルコールや尿酸値を上げる食品の大量摂取、また激しい無酸素運動などは、尿酸の産生過剰を起こしやすくします。

健康な人の場合、食物から取り入れたプリン体や体内で生成されたプリン体は肝臓を通して尿酸が作られ腎臓から排出されます。ふつう体内で作られる尿酸と排泄のバランスが取れており、体内の尿酸の量は一定に保たれていますが、高尿酸血症の人の場合は2つのタイプがあります。1つは尿酸産生過剰型で、体内で作られる尿酸の量が多いタイプ、もう一つは尿酸排泄低下方型であり尿酸を上手く体外に排出できないタイプです。

これらの2つのタイプやどちらにも当てはまる混合型の場合、体内の尿酸の量が次第に増加します。
また痛風の人の場合は体内の尿酸の量が過剰になって溶けきれなくなり、関節で結晶化します。また腎臓に沈着すると腎障害を引き起こします。

⇒痛風から引き起こされる「痛風血石」と「腎臓障害」とは