■事業理念とシンボル

総合情報通信技術研究機関 ADSの「ADS」は、旧称である ”ArionDigitalSupport(アリオン・デジタル・サポート)”
※1 の名残。
アリオンの名称は、動物(イルカ)にさえ大きな感動を与えたとされるギリシャ神話の抒情詩人
※2に由来します。
旧称は、多くのアドレス帳で上位にリスティングされるアルファベットのAから始まり、一般的なQWERTY配列のキーボードを用いてタイピングした際も、片手で即座に入力できる上、同じアルファベットが連続しない為、入力ミスも削減できる3文字(ADS)が略称となる事から決定致しました。
この画像は、当時より続く我々を代表するシンボルで、トライベスト(Trybest)と称します。
トライベストは、英語のTriangle(三角形)と、Try best(全力を尽くす)より生まれた造語。
A.D.Sのアルファベット3文字を配し、鏃(やじり)様の三角形状を成しており、それぞれの色に、英知・Wisdom(青)、魂・Spirit(赤)、信頼・Trust(白)、幸福・Happiness(黄)の意味を込めています。
これらは我々の事業理念です。
事業理念
我々の理念を弓矢に比喩した理由は、総合情報通信技術研究機関 ADS及び、その原点であるパソコン通信網 ARFを運営していた組織 ”RFネットワークス” の創立者で、これを提唱した現・代表理事が、誰とも組み合わず、己に対して黙々と向き合う弓道
※3の真髄に、技術者の理想を重ねた為です。
ウェブ上では、弓道に於て射た矢の、空力による回転をアニメーションで表現。
我々は、回転を得て科学的に直進性と貫通力を高める矢に習い、トライベストの精神を胸に、如何な障害も科学技術で一閃突破するITアスリートでありたいと願っています。
References |
※1 | 2012年、デジタル・サポートの名称につき、総務省の推進するテレビ受信者支援センター、通称デジ・サポと混同される可能性が指摘され(デジタル・サポートの名称は我々が先行)、総務省の提案により、ADSの3文字を名残とした総合情報通信技術研究機関 ADSへと改称し、再出発しております。 |
※2 | あらゆる人々に感動を与えられる成果を残したいとの想いから、詩人・アリオンの名を冠しました。 |
※3 | 代表理事には幾許か武術の心得があります(14歳で弓道 初段を拝受・20代で天御前流詠春拳 錬士を拝受)。 |
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■コンセプト
ここでは、トライベストをパーツに分け、それぞれが持つ様々な意味を紐解いてまいります。
まず、英知を意味する左側の青い三角形の中に、幸福を意味する黄色を配置した理由についてです。
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世の中には、貧困を極めていても幸せを噛み締めている者も居れば、経済的には裕福であれ不幸を感じている者も居ます。
詰まる所、幸せであるか否かは、本人が ”そう感じられるか” に尽きるのでしょう。
「幸せとは、後で思い出して気付くもの」 --ピアノ作曲家、オスカー・レヴァント(Oscar Levant)氏の言葉です。
誰しも幸せになる為に生を享けると我々は考えます。
どんな方々も、どこに住む人々も、人種、性別、年齢によらず、幸せになる権利があるのです。
では、幸せを感じる為には何をすれば良いのでしょうか。
皆様は、同世代の人間から「頭が悪い」と笑われたら恐らく、程度の差こそあれ腹を立てるかもしれません。
しかし幼児から同じ台詞を云われたら如何でしょうか。
相手が幼児であれば、同世代の人間から云われた時の様に、苛立つケースは少なかろうと思われます。
怒るより、むしろ「一本取られた」と、微笑みさえするかもしれない。
なぜならば、自分よりも幼児が持つ知識の方が、絶対的に乏しいと認識している為です。
云い替えれば、相手が同世代の人間か、或いは年長者であっても、明らかに無知な者から馬鹿にされたのなら、苦にはなりません。
要するに、圧倒的に自身の立場が優位であれば、誰に何を云われても人は笑って居られるのです。
水を入れたペットボトルを例示します。
- 透き通ったペットボトルの中で、光り輝く天然水が、飲まれる時を待っている。
--これは現代文です。
- 澄みし瓶の内にて、眩し水が、飲まるるほどを待てり。
--これは古文(古語表現)です。
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この例では、ペットボトルに便宜上、瓶(かめ・ビン)の字を当てています。
これ程の古語が使われた時代に、ペットボトルは存在しません
ペットボトルが発明されたのは西暦1973年、第一次オイルショックが発生した年です。
なお、ヨーロッパでは、17世紀の時点で既に、容器に詰めた水を販売していたとされています。
--これは歴史です。 |
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- This is water in a plastic bottle.
--これは英語です。
- 塑料瓶裡(里)有水。
--これは繁体字の中国語(括弧内は簡体字)です。
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正確な表記ではありませんが、スーリャオ・ピン・リー・ユーシュイと読みます。
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- フランス製のボトルに、スイス産の水が入っている。
--これは公民です。
- 500mLあまりの体積を持つ円柱の中に、凡そ250mLの液体が入っている。
--これは数学です。
- ポリエチレンテレフタラートで形成された容器の中に、一酸化ニ水素の存在が認められる。
--これは化学です。
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物質は化学式でも表記可能であり、その場合、水は「H2O」です。 またIUPAC命名法に習えば、水はDHMO(ジハイドロジェン・モノオキサイド)とも云い表せます。
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- プリフォーム、及びブロー成形を経た樹脂素材の容器に、濾過後、非加熱殺菌処理された湧水が入っている。
--これは工学です。
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 --これは美術です。 |
何の事やら、不思議に思われたかもしれません。
我々が説明したいのは、単なる ”ペットボトルに入った水” であっても、それを見た者に知識さえあれば、様々な ”捉え方” や多彩な ”表現” が可能となる点です。
あらゆる学問に触れて幅広い知識を身に付け、研鑽を積む行為は、何より心を豊かにし、いつしか笑顔を育むでしょう。
故に人は知を欲し、幸福とは得てして知の中に秘められている。
これこそが、トライベストの青い三角形に、囲われる形で黄色が存在する理由です。
即ち、抒情詩人、アリオンの名から頭文字「A」を頂いたトライベストの左半分は、深遠の技術と、そこから生まれる幸福を表しており、英知を象徴しています。
一方、右側の赤いS字の下部にある黄色の台形は、どの色にも完全には囲われていません。
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これは当該部分が、我々の幸福ではなく、我々に関わる皆様の幸福を表している為です。
皆様を表す黄色の台形がデジタルの頭文字「D」を模しているのは、我々と皆様を繋ぐ接点がITである事に由来します。
その中央部に存在する白は、信頼の意です。
皆様の、我々に対する信頼と、そこから溢れる幸福を、白と黄色で表現しました。
トライベストは、我々の幸福のみならず、皆様の幸福も願うシンボルなのです。
同様の意味を持つロゴやロジックは世界中に存在し、一例を挙げると、中国には喜喜(キキ)と書いて自他の喜びを表現する文化があります。
この字は喜を2つ横に並べた記述から双喜紋(そうきもん)=シュアンシーと呼ばれており、とりわけ祝いの席で広く用いられます
字は覚えが無くとも、中華料理を入れる器の底で、以下の図形を見た方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
これは上述のシュアンシーを変形させた図形であり、同様の意味を持ちます。
完食せねば見えない器の底にシュアンシーを入れる理由は、料理を美味しく食べてもらえた料理人と、美味しい料理を食べさせてもらえた者、それぞれの喜びを表す為です。
自己と他者、双方の幸福を表すトライベストも、ある意味では形を変えたシュアンシーと呼べるでしょう。
また、トライベストの右半分には、皆様を表す黄色と白を守る様に取り巻いている、赤いS字があります。
これはサポートの頭文字「S」であり、赤色は我々の情熱や魂(スピリット)の意。
我々は、我々を慕い、頼って下さる皆様を全力でバックアップしております。
つまりトライベストの右半分は、我々と、我々が全身全霊を賭けてサポートする皆様との、強い絆の象徴です。
トライベストは、これらの要素によって完成しています。
■デザイン
トライベストのデザインには、先に解説した内容以外にも、様々な特徴や拘りを凝縮しています。
【カラー・スキーム】
我々が発足した1980年代、パーソナル・コンピュータの主力は8ビット(Bits)機でした。
当時に発売されたパーソナル・コンピュータの多くは基本性能が低く、グラフィック面でも発展途上にあり、固定8色しか同時出力できません。
技術的には、それ以上の同時発色も可能であったかと推察されますが、当時のコンピュータは非常に高価で、エンターテインメントに転用するには難しい事情があったのです。
その様な背景から、コンピュータには計算(ビジネス用途)に特化した性能が求められ、重要視されていなかったグラフィックについては固定8色がデファクト・スタンダードとなっていました。
ここで解説する固定8色と、それに対応するカラー・コード(カラー・ナンバー)は以下の通りです(厳密な色表現ではありません)。
これは通称8ビット(Bits)カラーとも呼ばれ、当時に発売された多くのコンピュータや、その後継モデル、プログラミング言語が、これを踏襲しています。
無論、それ以上の色数を扱える機種も存在しましたが、当該8色しか利用できない機種に於て、9色以上に色分けしたい場合は、別の手法で新たな色を作り出さねばなりませんでした。
そこで考え出されたのが、ドットの配置を工夫し、異なる色であると錯視させるテクニックです。
白地に黒点を、上下と左右で1ドット置きに配置すれば、人間の脳は黒でも白でもなく、その中間色であると誤認します。
同様に青と赤であれば紫(パープル)、若草(ライム)色を表現したければ緑と黄。
この手法を用いる事で、当時の技術者やグラフィッカーは、擬似的にではあるものの、9色以上を再現していました。
余談になりますが、当時、再現の難しかった色の一種に、ペール・オレンジ(肌色)の存在が挙げられます。
ペール・オレンジは、コンピュータの画面上へ、アニメーションや漫画のキャラクターを表示する際に、障害となっていた原因の一色です。
固定8色を用い、ペール・オレンジを擬似的に作るには、最低3色のドットを絶妙に配置せねばなりません。
我々も当時、ナチュラルなペール・オレンジの再現には相当な苦労を強いられました。
人物キャラクターを描いた当時のグラフィックで、肌の色が妙に白っぽかったり、オレンジないし黄味がかって見える作品が多いのは、これが原因です。
他にも、フリッカー(ちらつき)が生じるものの、高速で色変更を行う事で、多色表現を試みる技法があります。
しかしながら何れも小手先のテクニックですし、やはりノイズの少ない ”ピュア” な色の美しさには敵いません。
純粋な色と擬似的に作成した色を比較しましょう。
Color Samples |
Pure |
Pseudo |
Pair |
 |  | Blue + Red |
 |  | Black + White |
 |  | Green + Blue |
 |  | Blue + White |
 |  | Green + Yellow |
 |  | Red + Yellow + White |
左の純粋色と右の擬似色を比較すると、若干ではありますが擬似色はザラついており、見劣りしませんでしょうか。
純粋な色の中でも、最もノイズの少ない色は、青、赤、黄の3色(原色)であるとされています(光の3原色とは異なります)。
全ての色は、青、赤、黄の原色を組み合わせて作り出せます。

青、赤、黄は原色である故に最も視認性が高いとされ、安全性が重視される交通信号等にも採用されています。
当然、8ビット・カラーの列にも含まれている為、擬似的に作り出す必要がありません。
トライベストは、あらゆる画面への表示や、紙媒体への印刷も想定し、意図的に原色+白のみのカラーリングで構成しています。
【プレーン&スプリット】
ロゴ・マーク類が掲示される場は、ウェブや多色印刷の紙面のみならず、自ら発行する媒体上とも限りません。
露出の増加につれ、どこかに転載されるかもしれませんし、他者の発行する書類やリーフレット、パンフレット、フライヤー、ポスター、チラシ等へ対しても、意図しない形で掲載される可能性が憂慮されます。
場合によっては、2値(白黒)で印刷されてしまう恐れも。
最大漏らさず、指定した様式で印刷してもらう事は非常に困難です。
特に、教育機関や非営利団体が開催するイベントの案内冊子等は、カラー印刷の場合もありますが、コストの削減を目的として白黒で印刷されるケースも多く、その場合、スポンサーのクレジット表示も無論、白黒となります。
イベントの運営者にも都合はありますから、カラーで印刷して欲しいとは云い辛いケースも考えられるでしょう。
場合によっては、文字のみを表記する等、一定の妥協が求められるかもしれません。
参考例として、架空のロゴ・マークを示します。

上図は我々が適当に制作した、どの組織にも属さず、何ら意味を持たないロゴ・マークですが、これだけを見れば、それなりのプロセスを経て世に送り出された図案と思われるかもしれません。
何かの図案でないとは云え、それなりに作画時間を消費しておりますので、一見、これはこれで悪くないデザインに見えるのではないでしょうか。
全く同じではないでしょうが、実際、この様な雰囲気でデザインされたロゴ・マークを、シンボルとして使用している組織や企業は沢山ございます。
さて、ここからが本題です。
このロゴ・マークがスタンプ(2値)化したと想定し、その印影を確認しましょう。

ご覧の通り、形が殆ど分からなくなってしまいました。
色の付いた部分が隣接していると、その境界が消え、ベタ塗りの状態となります。
グラデーションを施していようと全て塗り潰され、デザインの特徴や持ち味が失われてしまうのです。
一般的なスタンプでは、色の階調(濃淡)さえ表現できません。
この様に、カラーの条件下であれば、一見それなりに見えるデザインも、2値化すると一気に崩れてしまう場合があります。
仮に、このデザインが、企業のシンボルや、ブランドのロゴ・マークに代表される重要な役割を担っていたとしたら。
何らかの組織、企業であれば、活動に先立ってゴム印を必ず作成するでしょうし、団体名の隣にロゴ・マーク類を配置したいケースもあるでしょう。
これが、見た目ありきで、あらゆる可能性を考慮せずに制作してしまった、所謂 ”アマチュア作品” の典型例です。
ロゴ・マークを手がけるプロのデザイナーであれば、この様な作品を、とりわけ企業シンボルの創案として提出する行為は徹底して避けます。
大企業のシンボル程に、シルエット化しても問題ない、シンプルなデザインが採用されている背景には、こうした理由もあるのです。
それでは、トライベストがスタンプ化した際の印影を示します。

あえてグラデーション表現を用いず、且つパーツ単位でスプリットしている為、スタンプにしても、白黒のFAXでも輪郭が残り、基本的なデザインが損なわれません。
A.D.Sの3文字も明確に読み取れるのではないでしょうか。
更にロットリング風のペンで線画化すると次の様になります。

些細な事ですが、これはロゴ・マークに求められる非常に重要な要素です。
これが考慮されておらねば、スタンプのみならずネオンサイン化も難しくなりますし、ワイヤー放電やレーザーで金属板を加工した製作等も行えません。
トライベストは、こんな部分にも拘っています。
【DCGA】
一般的なロゴ・マーク類は正方形や、アスペクト比
※1で4:3を基準に制作されるケースが多い模様です。
近年では、モバイル端末の普及につれ、アスペクト比3:4等、縦長の画面を意識したデザインも散見される様になりました。
確かに正方形や、それに近いアスペクト比で制作されたデザインは、アイコン化した際に見栄えします。
しかしながらアイコン化するケースが多いのは、ソフトウェアやブランド、サービスのロゴ・マークです。
組織や団体のシンボルは、アイコン化する可能性よりも、映像や印刷物の中で使用される可能性が圧倒的に高くなる為、そちらを重視すべきではないかと我々は考えました。
但し、製品やブランド、サービスの名称が、そのまま組織や団体の名称となっている場合は、この限りでありません。
様々なアスペクト比で制作されたロゴ・マークやシンボルが世に溢れる中、トライベストは全く異なる視点から、16:10と云う(今となっては)マニアックなアスペクト比を採用しています
※2。
これは8ビット・カラーを標準採用していたNEC PC-9801シリーズ等の多くが、640x480のVGA(Video Graphics Array)ではなく、アスペクト比16:10、解像度にして640x400のDCGA(Double scan Color Graphics Adapter)を採用していた為です。
解像度640x200のPC-8801シリーズも、縦長のドットを採用していた為、アスペクト比としては概ねDCGAに同じでした。
我々は、パソコン通信網 ARFの運営母体であった ”RFネットワークス” を起源とし、1980年代より続く、歴史あるコンピュータ・ソフトウェア、ハードウェアの総合技術研究所であると共に、情報技術や、デジタル文化の進歩と発展を目の当たりにしてきた、云わばコンピュータ史の証人でもあります。
そのエクスペリエンスを、シンボルにも何らかの形で反映させたいとの想いが、原色やDCGAの採用に繋がりました。
トライベストが生まれた当時、地上波テレビ放送では依然アスペクト比4:3が一般的でしたが、映像業界、コンピュータ業界の片隅では、将来的に、コンピュータのディスプレイやテレビ画面を、アスペクト比にして約2.35:1のシネマ・スコープ・サイズ
※3に近づける機運が高まっておりました。

最終的に標準化したアスペクト比は、HDに代表される16:9(シネマ・スコープ・サイズより若干縦長)でしたが、DCGAはHDの比率に近い為、4K、8K上で大きく表示しても、極端な余白バランスの崩れが生じません。
結果、DCGAは良い選択であったと思われます。
References |
※1 | 横と縦の比率。 |
※2 | 面取の手法等により、実際のアスペクト比は僅かばかり変化します。 |
※3 | 多くの映画作品が採用しているアスペクト比。 |
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■プログラムで描くトライベスト
先の解説通り、トライベストは原色を用い、グラデーション表現も避け、16:10のアスペクト比を鑑みてデザインしておりますので、NECのPC-88VAや、初代機を含むPC-9801シリーズ上でも、恐らく、それなりのクオリティを保ったまま、画面サイズに合わせて表示可能ではなかろうかと思われます。
そこで、N88-BASICを用い、トライベストを描画するプログラムの構築を試みました(周囲に多少の余白を設けています)。
N88-BASICに依存する記述を可能な限り避けてプログラミングしてありますので、N88-BASICでなくとも、DCGAに同じ解像度、及びN88-BASICと互換性の高いBASIC言語の組み合わせであれば、恐らく実行可能です。
グラフィック画面を大きく利用して描画する為、下部のファンクション表示に一部グラフィックが隠れますので、気になる方は「CONSOLE ,,0」を実行し、ファンクション表示を消して下さい。
【プログラムで描くトライベスト 移植・BASIC】
ここからは、上記PC-9801向けトライベスト描画プログラムの移植例を示します。
PC-8801のN88-BASICへ移植する場合は、PC-8801の解像度(640x200)に合わせ、縦サイズを半分にするだけで良い為、1行目(描画部)のみの僅かな変更で対応できる可能性があります。
その場合、全ての縦座標値を2で除算し、円の扁平率を0.4とします(一般的には0.5ですが、描画の構造上、崩れる可能性がある為)。
具体的には次のようにプログラミングします。
比較的N88-BASICと共通部分が多いSHARP X1turboのHu-BASICにも、僅かな変更で移植できます。
MSX2へ移植する場合、描画サイズを全体的に縮めねばなりません。
違和感なく縮小するには、512x212(SCREEN 7)モードの例で、DCGAに対し横1.25、縦2.1で除算すればオリジナルに近くなるでしょう。
色配列も他のBASICとは大きく異なる為、データ部にも変更を加える必要があります。
また、本体の仕様によっては、プログラムの実行を終えるとプログラム入力画面へ切り替わり、グラフィックが隠れてしまう為、本プログラムにはスペース・キーを押して終了する仕掛けを追加してあります。
それが FOR I=0 TO 1:I=-STRIG(0):NEXT の部分で、MSX全盛期に、プログラマの間で流行していた記述です。
なお、MSX-BASIC等、一部のBASICでは、ステートメントの短縮やスペースの省略等が行え、容量を節約できますが、可読性を鑑み、それらは使用していません。
【プログラムで描くトライベスト 移植・その他】
ここからは完全な番外編になります。
以下は、HTML5+CSS3+canvas+JavaScriptへ移植した例です。
本来、canvasで作図を行う場合、予め用意されたarc()やlineTo()等の描画メソッドを用いる手法が最も手軽、且つ一般的ですが、それでは面白味に欠ける為、BASICのグラフィック・ステートメントと同じ動作をするline、circle、paint関数を設け、オリジナルに近い描画プロセスを再現してみました。
但し、BASICと同じプロセスで描くには、一部のブラウザによるアンチエイリアス処理を回避する必要があり、ジャギーが生じます。
アナログCRT上では気にならないジャギーですが、高精細なモニタ上では目立ってしまう為、一旦、少し大きなサイズ(1280x800)のcanvas上で描き、縮小の過程でブラウザにアンチエイリアス処理を委ねています。
以下はPerlを利用したトライベスト表示の例です。
Perlは単体で図形の描画を行えません。
従って厳密には「移植」でなく、PerlをCGIとして用い、ブラウザ上でトライベストを表示する一手段の紹介となります。
これは、画像認証システム等の土台を形成している基礎的な技術。
外部のバイナリ・データを読み込み、そのまま出力するのではなく、ソースに含まれる16進数の列をバイナリ変換し、PNG画像としてアウトプットします。
ソースの肥大化が難点ですが、クオリティを落とさず、且つ1ページに収めたい時、昨今では、これが最も素直な手法かもしれません。
データ中に改行を含めなければ、正規表現を利用した文字列置換部分($hex =~ s/\n//g;)は省略できます。
PNGは透過やアルファ・チャンネル(半透明表現)が利用できる上、最適化次第でJPEGを凌ぐ程の圧縮(画像による)が可能です。
非常に優秀な画像形式である反面、古いブラウザで表示できません。
そこで、上記プログラムのデータ部分を、GIF形式に置き換えたソースも掲載しておきます。
GIFは単色透過に対応しており、アニメーションを格納できる一方、PNGやJPEG等よりも圧縮率の点で劣ります。
その結果、データのサイズが更に肥大化し、PNGの倍程度に及んでいますが、こちらであれば、大半のブラウザで表示できる可能性があります。
PNG版と同様、データ中に改行を含めなければ、正規表現を利用した文字列置換部分($hex =~ s/\n//g;)は省略できます。
以上のプログラムは
こちらからアーカイブ・ファイルをダウンロード できます。
アーカイブ・ファイルには、簡単な解説を記述したreadme.txtを同梱しておきました。
■トライベスト・チャレンジ
前項の通り、オリジナルが非常にシンプルな構造ですので、カスタマイズや、他言語への移植も容易かと思われます。
移植作品のソースを
メールにて送信 下されば、作者名と共に、本ページで紹介させて頂くかもしれません。
着眼点や構造がユニークな作品は、言語、クオリティ等によらず、採用させて頂く可能性があります。
手段を問わず、プログラムで「特定の図形(トライベスト)を描くだけ」ですので、さして難しくありません。
今一度、目標となる図形を示します
全く同じでなくとも、それと分かる図形が描けていれば構いません

採用された方には粗品を差し上げます。
プログラミングに覚えのある方は是非チャレンジなさって下さい。
なお、トライベストの画像は我々について好意的にご紹介下さる場合に限り、自由にご利用頂けます。
拡大縮小や色調変更等も、ロゴの持つ意図を大きく毀損しない範囲で自由です。
ご応募の条件 |
@ | 予め公開に同意の上ご応募下さい。 |
A | プログラミング言語は問いませんが、掲載スペースが限られておりますので、極力、外部のライブラリ等を用いず、少しばかり長くなっても ”1ページで完結” させて下さい(目安は概10KBytes以内です)。 |
B | ソースはファイルにして添付せず、メールの本文中に記述なさって下さい。 ファイルが添付されたメールは自動的に破棄されます。 |
C | 使用した言語や開発環境、動作要件等、実行に必要な情報も、メールの本文に含めて下さい。 |
D | 粗品の送付に際して必要となるプライベートな情報は、採用が決定してから伺いますので、ご応募時点では記載なさらないで下さい。 |
E | 作者名は必要です(ハンドルネームでも構いません)。 |
F | 確実に連絡の取れるメールアドレスで送信下さい。 |
G | 法的な問題が生じないソースに限ります。 |
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上記の点に留意の上、是非ご応募下さい。
→ 応募する
お待ちしております。
【応募作品】
まさかの、オリジナルよりも古い言語で製作されたプログラムです。
N(80)-BASICを利用し、NEC特有のキャラクタを用いて描かれています。
サイズを抑える為、あらゆる工夫が凝らされている実にユニークな構造。
N(80)-BASICには、CLSが利用できない等の不便な点が多々ある一方、多くの半角スペースが省略できるメリットもあります。
MSX-BASIC同様、N(80)-BASICは、Microsoft BASICをベースに開発されている為です。
それらN(80)-BASICの特徴も活かし、あらゆる制約の中にありながら、極めてシンプルに仕上げられた素敵な作品。
作者のカワヴェリさんによると
Twitterに投稿する為にサイズを切り詰められた そうです。
機種依存文字が多用されている為、以下に示すソース(文字コードが異なる)を実機で走らせるには改修が必要となるでしょう。
本作品も
こちらからダウンロードできるトライベスト描画プログラムのアーカイブ・ファイル に 「trybest_kawa.80」 のファイル名で含めてあります。
アーカイブ・ファイルに含まれるtrybest_kawa.80は、機種依存文字を含めて記録しておりますので、実機に読み込んで動作させられますが、Windows等のテキスト・エディタで開くと文字化けが生じます。
作者 | | 白鳥 結菜(しらとり ゆな)さん |
使用言語 | | HTML,CSS,JavaScript |
HTML+CSS+Javascriptで製作されたプログラムです。
canvasを利用せず、カワヴェリさんの作品に同じくテキストのみで描くトライベスト。
テキストで図形を描くのに、あえてJavaScriptを利用し、Unicode文字を並べてゆく構造に拘りを感じました。
実行に際し「Terminal」フォントを正常に描画可能な環境(Windows + Google Chrome等)が必要です。
ブラウザ上で実行可能なコードですが、環境次第で描画結果が大きく崩れる為、サンプルは掲載しておりません。
本作品も
こちらからダウンロードできるトライベスト描画プログラムのアーカイブ・ファイル に含めてあります。