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UFWRの理念

総合情報通信技術研究機関 ADSが本プロジェクトの継承を受け入れた理由は、旧UFWRプロジェクトと、産業振興団体である総合情報通信技術研究機関 ADSの理念が、ある部分に於て一致した為です。
 
1990年代から、インターネットは世界規模で、指数関数的な拡大を見せました。
但し、それは都市部や先進国に限った現象であり、世界には、未だ通信手段はおろか、電気さえ安定して利用できない地域が少なくありません。
通信線が敷設され、ある程度の安定した電気エネルギーを得られても、そうした地域に済む住民の大半は、新しいコンピュータを購入するには無理が生じる生活をなさっています。
結果、先進国から輸入された三世代、四世代前、場合によっては、それ以上に古いコンピュータしか利用できない状況にあるのです。
インターネットに接続できたとしても、そのコンピュータでは正常に閲覧できないウェブサイトが多々ある。
これは、ウェブサイトに対する開発リソースを節約する為、ウェブマスターやエンジニアが、古いコンピュータ、ひいては、そうした人々を切り捨ててきた結果です。
それにより、インターネットの発展と共に情報格差が顕在化しました。
 
今や発展途上国の国民であれ、誰もがモバイル端末を持っている。
そう仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、ハードウェアの普及を根拠に情報格差の解消を唱えるのは極めて危険です。
果たして、彼らが持つハードウェアにインストールされているOSやブラウザは、最新の製品なのでしょうか。
首長族(Kayan People)の皆様も、モバイル端末を活用なさっていましたが、彼らの端末にインストールされていたOSは、最も後発のバージョンでも、我々の訪問時点で、5世代前の製品でした。
彼らが住む国内のウェブサイトは閲覧できるとしても、彼らの端末では、先進各国で公開されているウェブサイトの大部分が正常に閲覧できないと推察されます。
 
いかなる人々も、あらゆる情報を平等に入手できる世の中になってこそ、格差が解消できたと見るべきではないでしょうか。

首長族と総合情報通信技術研究機関 ADS(ソフトハウス ADS)代表理事 - UFWR Project

これは発展途上国内に限った話ではありません。
数世代前のコンピュータを利用されている方々が、他の先進国へ職を求めて渡航する際にも、そうした端末を持ち込む例が散見されるからです。
彼らにとって、先進国内で販売されているコンピュータは、価格のみならず、あらゆる意味で敷居が高く、とても手が出せないのです。
更に、先進国に長期滞在をしながら就労されている発展途上国出身者の方々は、勤め先によらず、自らと同じ国の出身者を中心とした独自のネットワークを形成しているケースが多く、仲間に合わせて同じ旧式のソフトウェアをシェアなさっています。
 
確かに、サポートが終了されたOSやブラウザを使い続ける行為に、とりわけセキュリティ上の観点から是非がある点は否めません。
とは云え「最新のOS、ブラウザであれば絶対に安全」と論ずる事もできないはずです。
なぜなら、マルウェア類の多くは常に、一定以上のシェアを獲得している最新のOSをターゲットにするからです。
加えて言及するならば、誰かが脆弱性に満ちたOSの利用によってマルウェアを拡散したとしても、身を守りたい者が対策を整えていれば、その者のコンピュータに大きな影響は及びません。
即ち、自らの身を自らが守れば良いのであり、第三者が旧世代のOSを使っているからと、その者にまでコンピュータやOSの変更を強要する行為に、大義は存在し得えないと我々は考えます。

NEC PC-9821Xc - UFWR Project

時に、新しいOSやブラウザへの乗り換えを促進する目的で、ブラウザやOSシェアの調査結果を取り上げ、一定以上に古いOSやブラウザのシェアが少なくなってきており、サポートする必要が無いと説明されるケースがあります。
ところが、旧世代のブラウザ環境に対しても一定の配慮を行い、UFWRの基準を概ね満たす総合情報通信技術研究機関 ADS関連のウェブサイトについて、閲覧者の環境を精査した結果に於ては、Windows XPやInternet Explorer 8等でアクセス下さる方が、Windows 10の普及以降も無視できない数に上ると判明しています。
最早、その理由は明白ではないでしょうか。
 
”旧ブラウザでのアクセスが少ない(無い)から、旧ブラウザの利用者が少ない” のではありません。
”旧ブラウザでアクセスしても満足に閲覧できない可能性が示唆されるから、訪問してもらえない” のです。
 
旧OS、旧ブラウザを利用なさっている方々に訪問してもらえないが故、それらユーザの存在が数値となって現れず、旧OS、旧ブラウザを利用する者が少ないとミスリードされているに過ぎません。
 
また、特に商人の皆様には、ターゲットが同国の国民であるから、同国の国民にだけ訴求できれば良いと考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、”六次の隔たり” とした研究仮説が示す様に、他国に住む全くの他人であれ、ほんの僅かなきっかけで何らかの接点が生じ、思わぬ成果に繋がる可能性があります。
他国の人々から多数の高評価を得られれば、国内の人々からも世界的に支持されているサービス、商材であると認知してもらえるかもしれないからです。
我々の目は、時代によらず常に、世界へ向いておらねばなりません。
 
インターネットは本来、何人(なんびと)にも開かれて然るべき知の集積です。
その原点に立ち返り、インターネットの在り方、本義に考えを及ぼす時、どの様なウェブサイトを構築せねばならないかが見えてきます。
 
直接的な営業利益に直結しない ”植樹活動” に対し、予算を投じる企業は愚かでしょうか。

植樹 - UFWR Project

本プロジェクトは、決して新しい技術や規格の否定ではなく、新しい技術を取り入れたウェブサイトであれ、旧世代のOSやブラウザでも一応に情報を享受できる仕組みの構築を奨励し、あらゆる閲覧者への配慮を啓発する取り組みです。
表題となっている "Ring" には、この志に共鳴下さった方々で、ひとつなぎの大きな "輪" を形成しようとする願いが込められており、アルファベットを輪状に配したリング(シール画像)のデザインも、これに由来します。
総合情報通信技術研究機関 ADS、及びUFWRプロジェクトは、格差の少ない情報社会を望んでいます。

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