痛風の激痛と原因とは

◆痛風ってなに?

そもそも痛風とはどのようにして起こるのかをご説明します。

 痛風は尿酸の結晶がただ沈着しているだけでは痛風発作は起こりません。心身に大きなストレスをともなう動作や運動、急激な尿酸値の変動などがきっかけとなり、関節に付着していた結晶が剥がれ落ちたときです。

過剰なほどの量の仕事をしたり重い責任を負う仕事、ストレスを抱えながら残業をこなす、また激しい運動を好むなど活動的な生活を行っている人や、早食い・大食いの人、肥満傾向にある人に多いのが特徴です。エネルギー消費が激しく、大量の食事を一度に取るような生活は尿酸が増えやすい環境です。
また痛風になる人の約95%が男性であると言われています。食生活の欧米化によって近年では30歳代の発症が増加しています。

 女性は男性に比べて発症する率がかなり低い傾向にありますが、閉経後にはホルモンの働きが少なくなるので必然的に尿酸値が上がります。そのため、痛風になる女性は閉経後の人が殆どという統計があります。
 痛風の激しい痛みの原因は、剥がれ落ちた結晶を白血球が異物と認識して排除するために起きる炎症反応であり、痛風発作そのものは1週間〜10日程度で治まりますが、発作が治まると痛みが嘘のように消滅するため、治療を中止したり、放置してしまう人が少なくありません。

しかし、痛風の原因である「尿酸値の高い状態」や「関節に尿酸の沈着状態」を放置していると、発作を繰り返すだけではなく様々な合併症を引き起こす原因になります。

痛風の激痛は歩けなくなるほどの痛みを伴います。発作はある日突然に始まり足の親指のつけ根の関節やアキレス腱、足の甲、踵、膝、肘、手などに起きやすく、耐えられないほどの激烈な痛みとともに、関節が大きく腫れあがります。特に、夜中から明け方にかけて起こりやすいと言われています。
尿酸の結晶は体のあちこちに沈着していきますが、最もたまりやすい場所が関節です。特に、血液の流れが弱くて冷えやすい足の親指の付け根は結晶が蓄積しやすく、最初の発作の約7割はここで発症します。

また痛風結節は皮膚の下に尿酸の結晶が溜まってコブ状のかたまりになった状態です。耳や手足など、温度が低い、血流に乏しい部分、力学的刺激を受けやすい部分によくみられます。

痛風結節自体には痛みはありませんが、治療を行わずに放置しておくと結節が大きくなっていきます。崩壊して内容物が出てくることもあるので注意が必要です。
痛風結節ができた状態になると痛風はほぼ慢性期に入っている可能性が高いと判断することができます。

痛風は自然治癒はありません。薬物療法と食事療法を医師の指導の下、治療する必要があります。取り返しのつかない合併症を引き起こさないためにも、早期治療を強くお勧めします。

⇒痛風発作の対処法