アルコールと痛風![]() ◆飲酒について アルコールの健康効果は数多くあり、血行の促進、血圧の正常化、心身の疲労回復、ストレスの解消、免疫力のアップなどが医学的にも確認されています。しかしその一方で、アルコールには大きな害があることも広く知られています。アルコールが招く主な病気は、脳の障害、食道がん、肝臓や腎臓の病気や糖尿病などの重大な疾患があげられます。色々な場面で飲む機会があるアルコールですが、健康面を考えて飲み過ぎには細心の注意を払わなければなりません。 アルコールが体内に入ると尿酸値が上がり、体内でプリン体の分解を促進して肝臓で尿酸の産生を進ませます。また、アルコールを代謝する過程においてできる乳酸などの物質が腎臓からの尿酸の排泄を抑制します。深酒をした翌日に痛風発作を起こす例が多いことはこの事からも分かります。 そしてこれらの他に注意をしなければならないことは、アルコールを飲むと食欲も増進するので、つい高エネルギーの一品料理などをつまみ、また量の感覚が薄れて食べ過ぎと飲み過ぎに陥りやすくなります。これは、言うまでもなく肥満に直結します。肥満化すると尿酸の排泄が阻害される危険性が高くなるのでくれぐれも注意しなければなりません。 とは言え、現在の生活環境を考えるとアルコールを断ち切ることはなかなか容易ではありません。アルコールの摂取で病気を引き起こす事を忘れることなくアルコールとうまく付き合って行くことが大切です。 それではアルコールを飲む時にどのような事に注意すればいいでしょうか。 まず第一に、空腹を避けて飲むことを守るべきです。空腹時は体が飢餓状態であるため、アルコールの吸収が良くそのぶん害が全身に及びます。酒席に着くまえに軽く食べておく、若しくは牛乳などを飲んでおくようにしましょう。 次に、飲み始めてからもゆっくり飲み、できれば低カロリーの魚や豆腐料理などを食べながら飲むようにしたいものです。野菜や海藻類、いも類など食物繊維を多く含んだメニューを摂るとアルコールの吸収を遅らせることができます。 お酒を飲むとつい脂っぽいものを食べてしまう傾向がありますが、当然尿酸値に悪影響を与えてしまいますので避けるようにしましょう。アルコールを飲むことは決して体にいいものではないため、アルコールを飲みながらタバコを吸うということは絶対にやめるべきです。タバコの害をアルコールの害に加えていいはずは、決してありません。 また、アルコールには利尿作用があるため気づかないうちに脱水症状を起こしてしまいがちです。脱水症状を起こすと血液が薄くなり、血中の尿酸値が上がり痛風発作を起こす危険性が高くなります。アルコールの量の1~2倍の量の水を飲み、尿酸値の上昇を抑えるようにしましょう。これは飲み過ぎや悪酔い防止に繋がります。ビールやシャンパンなどの炭酸が入ったものは特に吸収が早いので肝臓への負担が大きく、合間に水を飲んで体への悪影響を防ぐ心がけをすることは非常に大切です。 最初は面倒だと思いがちですが、少しづつ実践して習慣にしてしまうことが病気にならない秘訣です。 |